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踉蹌
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よろけ
心部を
噛まれつゝある
木材は
赤い
齒を
喰ひしばつたやうな
無數の
罅が
火と
煙とを
吐いて
居た。
勘次は
殆んど
惘然として
此の
急激な
變化を
見た。
彼は
足もとが
踉蹌る
程疾風の
手に
突かれた。
しかしたちまちにして一ト
歩は一ト歩より
遅くなって、やがて立止まったかと見えるばかりに
緩く緩くなったあげく、うっかりとして
脱石に
爪端を
踏掛けたので、ずるりと
滑る、よろよろッと
踉蹌る