語尾ごび)” の例文
貴様! なんだな、先日本所の屋敷に幽閉されおった際に——と語尾ごびをにごした栄三郎の言を聞くと!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ひるのうち復習ふくしふが出來なかつたものだから、せめて電車の中でゝもと思つて、動詞どうし語尾ごび變化へんくわ夢中むちうになつてゐるうちに、いつか水道橋すゐだうばしぎてしまひ、ふとがついてみると
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
おやともあにともなく大切たいせつおもふものをと、無心むしんへばかたじけなしと一こと語尾ごびふるへてえぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
フョードル・クジミッチ・チェーチェニコフ——これがソログーブの本名ほんみょうである。フョードルは、クジミッチは父称ふしょうといって、父親ちちおや特定とくてい語尾ごびをつけて、自分じぶん併用へいようするものである。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
そのシャックリの語尾ごびはまるで羊が鳴いているようにメーと聞えた。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「閣下、御安心下さい」中佐は、語尾ごびを強めて云った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
といった具合に語尾ごびを必ず「も」の字で終らせる。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)