誓紙せいし)” の例文
彼は、能動的になんの策もしていないようでいて、いつのまにか、自分の手に、もう二十名近い者の血判した誓紙せいしを納めていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けとおつしやれば起證きせうでも誓紙せいしでもおこの次第しだいさしあげませう、女夫めをとやくそくなどとつても此方こちやぶるよりは先方樣さきさま性根せうねなし、主人しゆじんもちなら主人しゆじんこわおやもちならおやひなり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どんな合戦かっせんも、一まいの、熊野権現くまのごんげん誓紙せいしで、ほこおさめることができた。神をなかだちにしてちかえば、大坂城おおさかじょうほりさえうずめた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いたずらに苦しめるものと、ふかく反省いたして、木下殿まで、誓紙せいしをさしあげてあるとおりに所存をかためておりまする
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あ。じゃあ、お墨付は、届いたね。——すると権右衛門から何か、秀吉様へ、誓紙せいしか、返書でもことづかったろうな」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
従って、講和条件の実行は、秀吉の意のままにすすみ、城地の分割、質子ちし誓紙せいしを差し出すことも、残らず終った。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その儀なれば、お心やすく思し召されい。重治が一命にかけ、主人藤吉郎秀吉様から、きっと、堀家の安泰と、二郎丸君の御助命は、誓紙せいしをいただいて進ぜまする」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二世までとも見えた政子と頼朝との誓紙せいしが破られた。政子は、近いうちに、山木判官に嫁ぐという。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まして当城は旧来から毛利家の被官ひかんとしてこの地方を領して来たお家柄でもある。なに迷うことがあろう。どんな質子でも誓紙せいしでも入れて、その代りに、ご助勢を仰げばよい
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誓紙せいし支度したくひまどるばかり、それよりも武門ぶもん金打きんちょう、おうたがいあるな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誓紙せいし
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)