ゴト)” の例文
だから、いはひゴトを以てほかひして歩いた祝言職人の芸能に、地に謳ふ部分と、科白として謳ふ歌の部分とのあつた事が推定出来る。
さし立てゝ、夕日から朝日の照るまで、天つのりとの太のりとゴトを申して居れ。さすれば、マチとしてはワカひるに五百篁ユツタカムラが現れよう。其下を
其のりとに於て発する詞章である処からのりとゴトなのであつた。アマつのりととは天上の——或は其式を伝へた神秘の——祝詞座即、高御座タカミクラである。
憶良の大伴旅人にはなむけした「書殿餞酒歌」の如きものは、よごとの変形「魂乞ひ」ののみゴトの流れである。
あめのおしくもねの命が神を祷ると、天の玉串が忽然と現れた。其串の自ら択ぶ地上にさし立てゝ、天つのりとの太のりとゴトを申してゐたら、若ひるに五百篁が出現した。
正式な形は、恐らく一人々々、ばら/\に出かけて、祝うて帰る、といつた風ではなく、定つた日に、長上の家に集つて、家主に向つて、一同から所謂、おめでたゴトを述べたのであらう。
たなばたと盆祭りと (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「夕日より朝日照るまで天つ祝詞ノリトの太のりとゴトをもてれ。かくのらば、……」
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「夕日より朝日照るまで天つ祝詞ノリトの太のりとゴトをもてれ。かくのらば、……」
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
多くの語りゴトを、絶えては考へ繼ぐ如く、語り進んでは途切れ勝ちに、呪々ノロヽヽしく、くね/\しく、獨り語りする語部や、乳母オモや、嚼母マヽたちの唱へる詞が、今更めいて、寂しく胸に蘇つて來る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
多くの語りゴトを、絶えては考へ繼ぐ如く、語り進んでは途切れ勝ちに、呪々ノロヽヽしく、くね/\しく、獨り語りする語部や、乳母オモや、嚼母マヽたちの唱へる詞が、今更めいて、寂しく胸に蘇つて來る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
多くの語りゴトを、絶えては考へ継ぐ如く、語り進んでは途切れ勝ちに、呪々ノロノロしく、くね/\しく、ヒトガタりする語部や、乳母オモや、嚼母ママたちの唱へる詞が、今更めいて、寂しく胸に蘇つて来る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)