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言立
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いひたて
言立しかば大岡殿作右衞門へ
尋ねありしに
始めは
左に
右と
陳じしがとても
包み
難しと存ぜしや
寒中見舞として金子を
貰請し旨を申に何か
肴の類ひならば
格別金子を
聞つけ
尋ね來り見れば娘の澤の井と
嬰孩の
死骸に取付樣々の
謔言を
言立狂氣の如き有樣なれば
種々賺し
宥め
兩人の
死骸を
光照寺といふ一
向宗の寺へ
葬むりしがお三婆は
狂氣なし
種々の事を
も恐れず
傍若無人の
言立なれば
越州殿にも不敵の
奸賊なりと目を