襟新えりしん)” の例文
京都きやうと襟新えりしんうち出店でみせまへで、窓硝子まどがらす帽子ばうしつばけるやうちかせて、精巧せいかう刺繍ぬひをしたをんな半襟はんえりを、いつまでながめてゐた。そのうち丁度ちやうど細君さいくん似合にあひさうな上品じやうひんなのがあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
京都の襟新えりしんと云ううちの出店の前で、窓硝子まどガラスへ帽子のつばを突きつけるように近く寄せて、精巧に刺繍ぬいをした女の半襟はんえりを、いつまでもながめていた。そのうちにちょうど細君に似合いそうな上品なのがあった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)