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えりしん
京都の
襟新と
云ふ
家の
出店の
前で、
窓硝子へ
帽子の
鍔を
突き
付ける
樣に
近く
寄せて、
精巧に
刺繍をした
女の
半襟を、いつ
迄も
眺めてゐた。その
中に
丁度細君に
似合さうな
上品なのがあつた。
京都の
襟新と云う
家の出店の前で、
窓硝子へ帽子の
鍔を突きつけるように近く寄せて、精巧に
刺繍をした女の
半襟を、いつまでも
眺めていた。その
中にちょうど細君に似合いそうな上品なのがあった。