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褰
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かか
ふりがな文庫
“
褰
(
かか
)” の例文
彼女
(
かれ
)
は
裳
(
すそ
)
を高く
褰
(
かか
)
げて、
足袋跣足
(
たびはだし
)
で歩いた。何を云うにも
暗黒
(
くらがり
)
で
足下
(
あしもと
)
も判らぬ。
剣
(
つるぎ
)
なす岩に踏み懸けては滑り
墜
(
お
)
ち、
攀上
(
よじのぼ
)
っては
転
(
まろ
)
び落ちて、手を
傷
(
きずつ
)
け、
脛
(
はぎ
)
を痛めた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
左右の
袴
(
はかま
)
の
裳
(
もすそ
)
を、高く
褰
(
かか
)
げていた武蔵は、その
弾
(
はず
)
みに、海水の中へ、軽く跳び下りていた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
は
何處
(
どこ
)
へでもべたりと
坐
(
すわ
)
るので
臀
(
しり
)
を
丸出
(
まるだ
)
しに
褰
(
かか
)
げてやつても
衣物
(
きもの
)
は
泥
(
どろ
)
だらけにした。それで
叱
(
しか
)
られても
泥
(
どろ
)
の
乾
(
かわ
)
いた
其
(
その
)
臀
(
しり
)
を
叩
(
たゝ
)
かれても、おつぎにされるのは
彼
(
かれ
)
にはちつとも
怖
(
おそ
)
ろしくなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
鼠すなわち見えず、憎むべきの物を以てまた能く人のために患を防ぐは怪しむべしとあるを思い出で、もしさる事もやと
衾
(
ふすま
)
を
褰
(
かか
)
げ見れば
糸
(
いと
)
大いなる
蜈蚣
(
むかで
)
の
傴
(
くぐ
)
まりいたりければすなわち取りて捨てつ。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
褰
部首:⾐
16画
“褰”を含む語句
尻褰
後褰