衆生済度しゅじょうさいど)” の例文
旧字:衆生濟度
あの茶人は「ゆがみ」にも「傷」にも美を認めました。あの如来の衆生済度しゅじょうさいどの誓願が果されなかった場合がないのと同じなのです。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
衆生済度しゅじょうさいどを旨と致すわれら仏弟子が、救いを求めてすがり寄る罪びとを大慈大悲の衣の袖にかくまうたとて何の不思議がござる。
この家に竹女と申す女中がいられるに相違ない。それこそは衆生済度しゅじょうさいどのため、仮に卑しき婢女はしためと現じた、大日如来生身の御姿じゃ、早く、早く」
彼が寂しさ苦しさのあまり、自分を救ふ何等なんらかの手段を、衆生済度しゅじょうさいど僧たる老師が持ち合せるであらうといふ一面功利的な思ひつきからでもあつた。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
衆生済度しゅじょうさいどの方便なら構わないが)傍に千万巻の経典を積んでも、自分の知識は「道徳の底に自己あり」という一言でこれを斥ける勇気を持っている。
それよりも、仏道に帰依きえし、衆生済度しゅじょうさいどのために、身命を捨てて人々を救うと共に、汝自身を救うのが肝心じゃ
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
勿体もったいなくも、成田山御本尊不動明王のお姿、滅多には拝めない品を、このたび、衆生済度しゅじょうさいどのために、あまねく世間に売り出して差上げる、一枚が百と二十文
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
衆生済度しゅじょうさいど読経どきょう どこでも泊めてくれないので何んともしてみようがない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
これ即ち口説くどきですよ。衆生済度しゅじょうさいどといふですな。浮気も即ち救ふといふことです。口説は即ち女人を救ふ道ですよ。浮気によつて救ふ。肉体によつて救ふ。口説のカラ鉄砲といふのは、いけねえな。
金銭無情 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
よい薬になるだろう、これこそまこと衆生済度しゅじょうさいどというものだ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宗教の大趣意は衆生済度しゅじょうさいどにありて人を殺すにあらず。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
衆生済度しゅじょうさいどのために、諸国を行脚あんぎゃせられています」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
この上は源兵衛に続いてわが身も一しお、老いの山坂いといなく、衆生済度しゅじょうさいどに馳せ向わん。有難し、かたじけなし、源右衛門。源兵衛。(合掌しつつ和歌を口ずさむ)
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
衆生済度しゅじょうさいどを致すようなことは、私共の及ぶところではございませんから、芸人となって、いろいろの面白い音曲を皆様にお聞かせ申し、皆様をお喜ばせ申すことができれば
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
だますのは、いわば火遁かとんの術で、衆生済度しゅじょうさいどの方便だと思い込んでいらっしゃいました
「そんな事をいって病人を診て居った日には限りがない。殊に急用を持って居るから病人などを見て暇取ひまどって居る訳には行かない」というと「衆生済度しゅじょうさいどのためですからぜひ診て遣って下さい」
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
衆生済度しゅじょうさいどのために仏教を修行しゅぎょうするのではない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)