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ひきがえる
ふりがな文庫
“
蝦蟇
(
ひきがえる
)” の例文
眼底が
窺
(
うかが
)
えるほどに
膿潰
(
のうかい
)
し去ったものか、もしくは
蝦蟇
(
ひきがえる
)
のような、底に一片の執念を潜めたものもあるのではないかと思われた。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
小虎は
吃驚
(
びっくり
)
して
顫
(
ふる
)
え出した。竜次郎はお鉄と知れては、口を利く事が出来なかった。
蝦蟇
(
ひきがえる
)
に見込まれた蚊も同然で有った。
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
半七 なんだ、なんだ、どいつもこいつも
脂
(
やに
)
を嘗めさせられた
蝦蟇
(
ひきがえる
)
のような
面
(
つら
)
をするな。ねえ、もし、大和屋の旦那。
勘平の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そしてちょっと鋏に触れるとそれで満足したようにのそのそ向こうへ行って植え込みの八つ手の下で
蝶
(
ちょう
)
をねらったり、
蝦蟇
(
ひきがえる
)
をからかったりしていた。
ねずみと猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
山椒魚は手に入れるのが困難だが、反対にいくらでも手に入るもので、しかも、滅多に人の食わないもの、それでいて、相当の珍味を有するものと言えば、日本の
蝦蟇
(
ひきがえる
)
だろう。
蝦蟇を食べた話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
▼ もっと見る
二十年の間この山を取り巻いていた呪いの霧が、蛇の鱗のように
剥
(
は
)
がれ落ちて、おおどかな梵音のひびく限りは、谷底に寝ほうけた
蝦蟇
(
ひきがえる
)
まで、薄やにの
目蓋
(
まぶた
)
をあけながら仏願に喰い入って来ようわ。
道成寺(一幕劇)
(新字新仮名)
/
郡虎彦
(著)
都鳥と片帆の
玩具
(
おもちゃ
)
を
苞
(
つと
)
に挿した形だ、とうっとり見上げる
足許
(
あしもと
)
に、
蝦蟇
(
ひきがえる
)
が喰附きそうな
仙人掌
(
サボテン
)
の
兀突
(
こつとつ
)
とした鉢植に驚くあとから、続いて
棕櫚
(
しゅろ
)
の軒下に
聳
(
そび
)
えたのは、毛の中から猿が覗きそうでいながら
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青蛙の卵と
蝦蟇
(
ひきがえる
)
の舌とを6325
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
愚直な
蝦蟇
(
ひきがえる
)
は触れられるたびにしゃちこ張ってふくれていた。土色の醜いからだが
憤懣
(
ふんまん
)
の団塊であるように思われた。
ねずみと猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
変な笑いに異状を示しながら、
袂
(
たもと
)
の中から取出したのは大きな
蝦蟇
(
ひきがえる
)
。それの片足を
攫
(
つか
)
んでブラ
提
(
さ
)
げながら、ブランブランと打振り打振り、果てはお綾の
懐中
(
ふところ
)
に入れようとするのであった。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
その鉢巻の下には少し飛び出した眼玉が
蝦蟇
(
ひきがえる
)
のように大きく光っていた。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
蝦
漢検準1級
部首:⾍
15画
蟇
漢検1級
部首:⾍
16画
“蝦蟇”で始まる語句
蝦蟇口
蝦蟇仙人
蝦蟇法師
蝦蟇出
蝦蟇図経
蝦蟇陵下