蜷局とぐろ)” の例文
成程、髪の毛で拵えた太縄が蜷局とぐろを巻いている。「越後国エチゴノクニ新潟ニイガタ信徒シント献納ケンノウ、長サ二十二丈八尺、廻リ一尺一寸、コノ外ニ五十二房アリ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
しうることになつてました、かれわたしどもに懶聲なまけごゑすことゝ、びをすることゝ、それから蜷局とぐろくことゝををしへました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
即ち、被害者の足元に手繰り取られ、蜷局とぐろを巻いていたロープが、大騒ぎをしている被害者の体へ、自然と絡み附いたのです。勿論、彼は夢中で格闘を続けます。
デパートの絞刑吏 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「ここです」と藤尾は、軽く諸膝もろひざななめに立てて、青畳の上に、八反はったん座布団ざぶとんをさらりとべらせる。富貴ふうきの色は蜷局とぐろを三重に巻いた鎖の中に、うずたか七子ななこふたを盛り上げている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
南無三宝なむさんぽう、も一つの瓶にはまむしが居たぞ、ぐるぐると蜷局とぐろを巻いた、胴腹が白くよじれて、ぶるッと力を入れたような横筋の青隈あおぐまくぼんで、逆鱗さかうろこの立ったるが、瓶の口へ、トとどく処に
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
美しい婦人達の大理石の様ななめらかな手で、蛇の様に重みのある縮緬地ちりめんじが引揚げられたり、ぬらぬらと滑り落ちて蜷局とぐろを巻いたりして、次から次へと婦人達の貪る様な眼で検閲されて居るのである。
偽刑事 (新字新仮名) / 川田功(著)
蝮蛇屋まむしや蜷局とぐろを巻いている。すべて大阪では廉くて利きが早いとなれば蛇や鰻の干物ひものが斯ういう霊場でも売れる。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)