蛋白石たんぱくせき)” の例文
先生、ごく上等の蛋白石たんぱくせきの注文があるのですがどうでせう、お探しをねがへませんでせうか。もっともごくごく上等のやつを
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
また、譬喩ひゆを珠玉に求めむか、彼には青玉黄玉の光輝あり、これには乳光柔き蛋白石たんぱくせきの影を浮べ、色に曇るを見る可し。訳者
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
又蟇石と称する宝石は蜘蛛くもやその他毒性の動物にまれたとき、その疼痛を消すと伝へられて居る。しか現今げんこんでもさうであるが蛋白石たんぱくせきは昔から婦人はこれけることを嫌つて居る。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
それはすべての物が宝石を刻んだ如くに見える、温な、美しい夜の一つであつた。スルウスの森は遠く南に至るまで緑柱石を刻んだ如くに見え、それを映す水は亦青ざめた蛋白石たんぱくせきの如く輝いてゐた。
先生、ごく上等の蛋白石たんぱくせきの注文があるのですがどうでしょう、お探しをねがえませんでしょうか。もっともごくごく上等のやつをほしいのです。
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
グリーンランドの成金がびっくりする程立派な蛋白石たんぱくせきなどを、二週間でさがしてやらうなんてのは、実際少し軽率だった。
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
玉髄ぎょくずゐのやうな、玉あられのやうな、又蛋白石たんぱくせきを刻んでこさへた葡萄ぶだうの置物のやうな雲の峯は、たれの目にも立派に見えますが、蛙どもには殊にそれが見事なのです。
蛙のゴム靴 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
玉髄ぎょくずいのような、玉あられのような、また蛋白石たんぱくせきを刻んでこさえた葡萄ぶどうの置物のような雲の峯は、たれの目にも立派に見えますが、蛙どもにはことにそれが見事なのです。
蛙のゴム靴 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
どうも少し引き受けようが軽率けいそつだったな。グリーンランドの成金なりきんがびっくりするほど立派な蛋白石たんぱくせきなどを、二週間でさがしてやろうなんてのは、実際少し軽率だった。
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いやそれだから、此度こんどなんかもまったくひどく困ったよ。殊に君注文が割合に柔らかな蛋白石たんぱくせきだらう。
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
いやそれだから、此度こんどなんかもまったくひどく困ったよ。ことに君注文が割合にやわらかな蛋白石たんぱくせきだろう。
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「うん。そうだね。ぼくはあんな大きな蛋白石たんぱくせきがあるよ。けれどもあんなに光りはしないよ。ぼくはこんど、もっといいのをさがしに行くんだ。お前もいっしょに行かないか」
黄色な草穂くさぼはかがやく猫睛石キャッツアイ、いちめんのうめばちそうの花びらはかすかなにじふく乳色ちちいろ蛋白石たんぱくせき、とうやくの碧玉へきぎょく、そのつぼみは紫水晶アメシストの美しいさきをっていました。
月の下にはまつ白な蛋白石たんぱくせきのやうな雲の塊が走つて来るのです。
氷河鼠の毛皮 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「はい、また、大きな蛋白石たんぱくせきばんのようでございます」