蘭麝らんじや)” の例文
たきもしめざる蘭麝らんじやおのづからかをりて、くや蛺蝶けふてふ相飛あひとべり。蒲柳ほりう纖弱せんじやく羅綺らきにだもがたし。麗娟りけんつね何處いづくにも瓔珞やうらくくるをこのまず。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蘭麝らんじやの薫を漂はせた綺羅きらの袂をもてあそびながら、嫋々たよたよとしたさまで、さも恨めしげに歎いたは
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
蘭麝らんじやかをる石の唐櫃からうど……
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
蘭麝らんじやかをれるねや
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
「おまけにおまへ小屋こや一杯いつぱい蘭麝らんじやかをりぷんとする。うつくしいことつたら、不啻毛嬙飛燕まうしやうひえんもたゞならず。」
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)