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薙伏
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なぎふ
三方崩れかかった窪地の、どこが境というほどの
杭一つあるのでなく、
折朽ちた
古卒都婆は、
黍殻同然に
薙伏して、薄暗いと白骨に紛れよう。
手には時ならぬ
団扇を携えて、はたはたと路傍の草花を
薙伏せながら先に立って、そぞろ歩きをしています。
三をばらり——ズン!
薙伏せたかと思うと、
怨恨と
復讐にきらめく一眼を源十郎の上に走らせ、
長駆、地を踏みきって、むらがる十手の中を縁へ向かって
疾駆し
来った。
と雲の峰の下に、
膚脱、
裸体の膨れた胸、
大な乳、
肥った
臀を、若い奴が、
鞭を振って追廻す——
爪立つ、走る、
緋の、白の、
股、
向脛を、
刎上げ、
薙伏せ、
挫ぐばかりに狩立てる。