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薄痘痕
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うすあばた
ふりがな文庫
“
薄痘痕
(
うすあばた
)” の例文
『まあ、私共始め、
左様
(
さう
)
いふことを伺つて見ますと、あまり好い
心地
(
こゝろもち
)
は致しませんからなあ。』と
薄痘痕
(
うすあばた
)
の議員が笑ひ乍ら言葉を添へる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
この連中の顔は、肥えて丸々していて、中には疣の出来たのもあり、また
薄痘痕
(
うすあばた
)
のもある。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
と
呻
(
うめ
)
くやうに言つて、ぶる/\と、ひきつるが如く首を
掉
(
ふ
)
る。
渠
(
かれ
)
は、四十ばかりの
武士
(
さむらい
)
で、黒の
紋着
(
もんつき
)
、
袴
(
はかま
)
、
足袋跣
(
たびはだし
)
で居た。
鬢
(
びん
)
乱れ、
髻
(
もとどり
)
はじけ、
薄痘痕
(
うすあばた
)
の
顔色
(
がんしょく
)
が
真蒼
(
まっさお
)
で、
両眼
(
りょうがん
)
が血走つて赤い。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
薄痘痕
(
うすあばた
)
のある、背の高い男で、風采は
何所
(
どこ
)
となく
田舎臭
(
ゐなかくさ
)
いところがあるが、其の柔和な
眼色
(
めつき
)
の
中
(
うち
)
には
何所
(
どこ
)
となく人を引付ける不思議の力が
籠
(
こも
)
つて居て、一見して、僕は少なからず気に入つた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
いつか小歌が
落語
(
はなし
)
が面白いと云ったことをおもい出して、
必定
(
ひつじょう
)
それと自分もうか/\寄席へ這入り、坐を定めかねて立って居た今の
両人
(
ふたり
)
の前へ廻って見ると、似ても似つかぬ三十近い
薄痘痕
(
うすあばた
)
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
▼ もっと見る
「ナニさ商売道によって賢く、猫の蚤とりのこの業で、諸家様へ立ち入り立ち寄りますので、自然家族の多寡有無、知られ感じられるというまでで。……
薄痘痕
(
うすあばた
)
のある四十男など、ご家内中にはおりますまいな?」
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と顔に
薄痘痕
(
うすあばた
)
のある商人の出らしい議員が言出した時は、其処に居並ぶ人々は皆笑つた。『彼は彼、是は是』と言つた
丈
(
だけ
)
で、其意味はもう
悉皆
(
すつかり
)
通じたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
枯々な
桑畠
(
くはばたけ
)
の間には、其車の音がから/\と響き渡つて、
随
(
つ
)
いて行く犬の叫び声も何となく喜ばしさうに聞える。心の好い叔父は唯訳も無く身を祝つて、顔の
薄痘痕
(
うすあばた
)
も
喜悦
(
よろこび
)
の為に埋もれるかのやう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
痘
常用漢字
中学
部首:⽧
12画
痕
常用漢字
中学
部首:⽧
11画
“薄痘”で始まる語句
薄痘
薄痘瘡