とう)” の例文
こうは、好意を謝して、半月ほど逗留とうりゅうしていた。その間に、彼の多芸や才気煥発かんぱつな質を見たものか、ある日、とうが紹介状を書いて
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とう将軍。まずよく防ぎ、よく戦い、賊兵を追ッぱらって、宋江の首を持って来給え。それを聟引出むこひきでとして、君にわしの愛娘まなむすめをやろうじゃないか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とう太師のやかたともなわれて行ったという貂蝉が、どんな一夜を明かしているかと、妄想をたくましゅうして、果ては、しょうのうえにじっとしていられなくなった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近頃、とう太師が、重いというほどでもないが、病床にあるというので、たびたび、出仕をすすめるのだった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、今夜ここへお泊めしてもよいが、とう太師に知れて、怪しまれてはいけません。吉日を計って、必ず、貂蝉はあなたの室へ送るから、今夜はお帰りなさい」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるじとうに会って、柳の手紙をしめすと、董は彼の前身も問わず、ふたつ返事で、のみ込んだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつて彼の命の下にあえなき最期をとげた漢朝のふく皇后や、とう貴妃や、また国舅こっきゅう董承とうじょうなどの一族があらわれて、縹渺ひょうびょうと、血にそみた白旗はっきをひるがえして見せ、また雲の中に金鼓きんこを鳴らし
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何后は、それを知って、大いに嫉妬し、ひそかに鴆毒ちんどくを盛って、王美人を殺してしまった。そして、さぬ仲の皇子協を、霊帝のおっ母さんにあたるとう太后の手へあずけてしまったのである。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)