落下らっか)” の例文
風をきって一直線ちょくせんに手をはなれた独楽は、ゆくところまでゆくとビューッとうなりをあげて見物けんぶつの頭の上へ落下らっかしてきそうなようす。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれは、絶体絶命ぜったいぜつめいかんじた。数秒すうびょうのちに、自分じぶんからだが、いくしゃくたかいところから地上ちじょう落下らっかして粉砕ふんさいするのだと意識いしきするや、不思議ふしぎにも、気力きりょくがった。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、その山毛欅が枝をはっている下をのぞくと、気のちぢむような断崖だんがいだ。はばはせまいが、嵐弦らんげんたきとよぶ百しゃくほどの水がドウッと落下らっかしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またやまでは、おいしげる木々きぎに、あらしがおそうと、はげしくえだえだをもみあい、そして、頂上ちょうじょうから落下らっかするたきが、さながらかみなりのとどろくように、あたりへこだまするものすごい光景こうけい
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)