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草鞋銭
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わらじせん
ふりがな文庫
“
草鞋銭
(
わらじせん
)” の例文
旧字:
草鞋錢
こちらを
労
(
いた
)
わった上に、武芸者は相見たがいというようなわけで、一晩とめて、その上に
草鞋銭
(
わらじせん
)
をくれて立たせてくれるに相違ない。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それで、面倒であったり、または、腕のにぶい師匠は、そっと
草鞋銭
(
わらじせん
)
を出して出て行ってもらったなど、これらもその当時の職人
気質
(
かたぎ
)
の一例でありました。
幕末維新懐古談:10 仏師の店のはなし(職人気質)
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「どんな仕返しをするか知れたもンじゃない。まアまア、
体
(
てい
)
よく、
草鞋銭
(
わらじせん
)
がとこで追ッ払うことさ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一厘たりとも
金気
(
かなけ
)
は肌に着いていない。のたれ
死
(
じに
)
を覚悟の前でも、金は持ってる方が心丈夫だ。まして慢性の自滅で満足する今の自分には、たとい白銅一箇の
草鞋銭
(
わらじせん
)
でも大切である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いやという訳じゃあないが、毒食わば皿で、そう度胸を据えるくらいならば、こっちにもまた路用や何かの都合もある。五両や十両の
草鞋銭
(
わらじせん
)
でうかうか踏み出すのはあぶないからね」
半七捕物帳:31 張子の虎
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
滞
(
とどこお
)
る
旅籠代
(
はたごだい
)
の催促もせず、
帰途
(
かえり
)
には
草鞋銭
(
わらじせん
)
まで心着けた深切な
家
(
うち
)
だと言った。が、ああ、それだ。……おなじ人の紹介だから旅籠代を滞らして、草鞋銭を貰うのだと思ったに違いない。……
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殊に
草鞋銭
(
わらじせん
)
もなくなつて京から大阪までてく/\歩く男、妾を囲つてゐた男が急に太夫買を覚えて身代を棒にふる話、ことに棒振虫の一話などは、世の中のあらゆる甘酸をなめつくした人でなければ
西鶴小論
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
伴「ほんの
草鞋銭
(
わらじせん
)
でございますが、お
請取
(
うけと
)
り下せえ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「……すみまシェン。
草鞋銭
(
わらじせん
)
に詰まって……」
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
到るところの道場では、お前を丁寧にもてなして泊めてくれた上に、
草鞋銭
(
わらじせん
)
をまで奉納してくれるに相違ない。こんないい商売はあるまいではないか。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
昨日は是非貰いたかった、
地平
(
じびた
)
へ手を突いてまで貰いたかった。しかし
草鞋銭
(
わらじせん
)
を貰うよりも、坑夫になる方が得だと勘定したから、手を出して頂きたいところを、無理に断ったんである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
、
草鞋銭
(
わらじせん
)
にさしあげる。身の振り方は、ほかへ行って考えてくれないか
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
娘
(
あま
)
には
草鞋銭
(
わらじせん
)
の少しもくれべえ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いくらかの
草鞋銭
(
わらじせん
)
を持たして
体
(
てい
)
よく追っ払うが関の山、まかり間違えば、浮浪人として突き出される。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、床屋は、
草鞋銭
(
わらじせん
)
を鼻紙につつみかけた。
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
番頭さん、何と言っても奥様は御存じがないとおっしゃる、これは少ないが
草鞋銭
(
わらじせん
)
だから、それを
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『
冥途
(
あのよ
)
の
草鞋銭
(
わらじせん
)
。それっ』
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
多少名古屋に於て信者から
草鞋銭
(
わらじせん
)
をせしめて来たとはいえ、千両箱を馬につけて来たわけではないし——
嚢中
(
のうちゅう
)
おおよそお察しのきく程度のものであるのに、それをしもはたいてしまっては
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
もう
田舎廻
(
いなかまわ
)
りの彫物師の西行をしても食っていけるぞい、と言われました時から思い立ちました、行くさきざき、何か彫らしてもらっては、
草鞋銭
(
わらじせん
)
を下さるところからはいただき、下さらねえ時は
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
主人が若干の
草鞋銭
(
わらじせん
)
と「奥の細道」の版本を一冊くれました。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
鞋
漢検1級
部首:⾰
15画
銭
常用漢字
小6
部首:⾦
14画
“草鞋”で始まる語句
草鞋
草鞋穿
草鞋虫
草鞋掛
草鞋脚絆
草鞋代
草鞋作
草鞋錢
草鞋履
草鞋懸