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茫乎
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ぼうこ
ふりがな文庫
“
茫乎
(
ぼうこ
)” の例文
今日に到るまで
茫乎
(
ぼうこ
)
として、推理の範囲外にある事実と同時に「つくし女塾内には呉一郎
母子
(
おやこ
)
と、女塾生に関する以外の事跡を認めず」
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
始めは
茫乎
(
ぼうこ
)
として際涯のなかりしもののうちに何となくある正体のあるやうに感ぜられるほどになりたるは五、六カ月の後なり。
『文学論』序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
顔面の剥脱して表情を失っているのも
茫乎
(
ぼうこ
)
として
神々
(
こうごう
)
しい。同時に無邪気であり、生のみちあふれた
悦
(
よろこ
)
びと夢想の純潔を示す。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
二葉亭に接近してこの鋭どい
万鈞
(
ばんきん
)
の重さのある鉄槌に思想や信仰を粉砕されて、
茫乎
(
ぼうこ
)
として行く処を
喪
(
うしな
)
ったものは決して一人や二人でなかったろう。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
すべてそれらの凶暴な高地は
茫乎
(
ぼうこ
)
と現われきたって、その上には、互いに
殲滅
(
せんめつ
)
し合う幽鬼の旋風が荒れ狂っている。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
顧
(
かえりみ
)
て明治前後日本の藩情
如何
(
いかん
)
を
詮索
(
せんさく
)
せんと欲するも、
茫乎
(
ぼうこ
)
としてこれを
求
(
もとむ
)
るに
難
(
かた
)
きものあるべし。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
斧
(
おの
)
の味を知らぬ原始の森は、その中へ踏み入るにしたがって一層威大な力を見せ、すなわち
赫灼
(
かくしゃく
)
たる夏の日光さえその光を遮られ、森林の中は
茫乎
(
ぼうこ
)
として宵闇の
態
(
さま
)
を呈している。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
過去世に人間の遠祖が
当身
(
そのみ
)
巨大怪異の爬虫輩の
強梁跋扈
(
きょうりょうばっこ
)
に逢った事実を幾千代後の今に語り伝えて
茫乎
(
ぼうこ
)
影のごとく吾人の記憶に存するものが竜であるという説のみでは受け取れず
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
童顔で、いまの日本人には誰にもないような、
茫乎
(
ぼうこ
)
とした大味なところがある。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
見かけは
茫乎
(
ぼうこ
)
としてつかまえどころがないが、これで相当の奇才。江戸一の捕物の名人などとおだてあげるものもいる。実際のところはそれほどでもあるまい、たぶん評判だけのことであろう。
顎十郎捕物帳:13 遠島船
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
茫乎
(
ぼうこ
)
たる 宇宙の内
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
主人は
茫乎
(
ぼうこ
)
として、その涙がいかなる心理作用に起因するかを研究するもののごとく、袴の上と、
俯
(
う
)
つ向いた雪江さんの顔を見つめていた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“茫乎”の意味
《名詞》
茫乎(ぼうこ)
広々していること。また、そのようなさま。
はっきりしていないこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
茫
漢検1級
部首:⾋
9画
乎
漢検準1級
部首:⼃
5画
“茫乎”で始まる語句
茫乎漠然