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自転車屋
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じてんしゃや
自転車屋のおじさんが、こんど
田舎へ
帰ることになりました。
清吉や、
正二にとって、
親しみの
深いおじさんだったのです。
自転車屋の
店に、
古自転車が、
幾台も
並べられてありました。タイヤは
汚れて、
車輪がさびていました。一つ、一つに
値段がついていました。
ある
日、
自転車屋の
前へいってみると、その
自転車が
見えなかった。
辰一は、びっくりして、おじさんにきいてみると、
昨日売れたというのです。
「なに、あれくらいの
車なら、また
出ますよ。」と、なにも
知らない
自転車屋のおじさんは、
力を
落としている
辰一を
見て、そういったのでありました。
勇ちゃんの
家が、
田舎へ
引っ
越してしまってから、しばらく、
自転車屋のあとは、
空き
家になっていました。
「
自転車屋のおじさん、いいんだよ。」と、
小西は、むりに
男を
押さえました。そして、三
人を
引っ
張るようにして、
湯屋の
前のすこしばかりの
空き
地へきました。
「その
叔父さんは、また
自転車屋をやるの。」と、
清吉がたずねました。