絹紐きぬひも)” の例文
あなたがおでいになるたんびに、絹紐きぬひもを一ぽんずつってください、ね、あたしそれで梯子はしごんで、それが出来上できあがったら、したりますから、うませて、れてって頂戴ちょうだい
麻酔薬まやく、毒薬、絹紐きぬひも、ハンカチ。数を尽くした瓦落多がらくた道具が。あるが中にも文明国では。一と呼ばれるホントウ国だよ。そこの首都みやこのタマゲタシチーで。わしが見て来た新式手段が。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
勲章を発明した。メキシコの銀貨に穴をあけて赤い絹紐きぬひもを通し、家族に於いて、その一週間もっとも功労のあったものに、これを贈呈するという案である。誰も、あまり欲しがらなかった。
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
丈夫な絹紐きぬひもに前もつて、べつとりと濃く石鹸を塗りつけておいて、死ぬにも、なるべく痛くないやうな心づかひをしたと云ふ一文は、スタヴローギンの憎々しいばかりの冷さが感じられて、富岡は
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)