結果あげく)” の例文
いろいろ考えた結果あげく、湖心寺の棺桶のことを思いだして、附近の者を頼んでいっしょに湖心寺へ往って、棺桶のあるへやへ往ってみた。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かんがへた結果あげく、まあ年長としうへだけに女房かみさん分別ふんべつして、「多分たぶん釜敷かましきことだらう、丁度ちやうどあたらしいのがあるからつておいでよ。」とつたんださうです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかし、文句の倹約は、殿様直々じきじきのお触出しですから、今さら、もとへと願い出も出来ません。窮した結果あげくが、次のように掛け声を改めました。「はじめは倹約えんやらえ」と。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
米は例によってさんざん毒づいた結果あげく、客商売に坊主は縁起が悪いと云って戸外そとへ突出し、下足番に言いつけて叔父の頭へ塩をかした。
寄席の没落 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小式部はいろいろと考えた結果あげく、自分の生き姿の偶人を三体造らしてそれぞれ送る事にした。
偶人物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
某日あるひ彼女と良人おっととの間に、平生いつものような口論があった結果あげく、彼女は良人になぐりつけられた腹立ちまぎれに、家を飛び出して其の夜は寺へ泊ってしまった。翌日うちへ帰ってみると家は空家になっていた。
法華僧の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)