くわ)” の例文
『俳星』に虚明きょめいの「お水取」といふ文があつて奈良の二月堂の水取の事がくわしく書いてある。余はこれを読んでうれしくてたまらぬ。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
二者の関係は後でくわしく申上げることにします。とにかくこのオモロを見てもこれらの覡が当時宮中にまで出入していたことがわかります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
リーランドいう、妖巫や邪視する人が、かく縺れ絡んだ物を見ると、線の始めから終りまで、くわしく視届けるその間に、邪念も邪視力も大いに弱り減ずる故、災難を起し得ぬ。
山車だし引くと花笠つけし玉垂のくわ少女の頬忘らえね」という香取秀真かとりほずま氏の歌は、山車を引く花笠であり、くわし少女の丹の頬であるから、更に美しいけれども、朱拙の句も祭の句だけに
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
めったに闇の中を歩行あるいて血の池なんかに落ちようものなら百年目だ、こんな事なら円遊にくわしく聞いて来るのだッた。オヤふくろうが鳴く。
(新字新仮名) / 正岡子規(著)
しかしこの時代は長い時代でもなく、かつ三都共に一時は盛であって、いずれがいずれとくわしい事は知りませぬから、この勝負はしばらく預りとして置きます。
俳句上の京と江戸 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
この俳風の比較というは、俳人の比較よりも趣味の多い問題であるから、くわしくやって見たいのですが、そうすると余り長くなりますから、少しくやって見ましょう。
俳句上の京と江戸 (新字新仮名) / 正岡子規(著)