素首すこうべ)” の例文
「無言でおるは、一言いちごんの申しひらきもないという表示か。しからば、約束どおり、この小屋を踏みつぶし、そちの素首すこうべをたたき落して持ち帰るぞ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
束「宜しい、武家と申してお百姓を威かし不法な事を申す、手前てまい掛合って仕儀に依っては、素首すこうべを打ち落して見せる」
己の怒もそのとおりだ。驕った敵の素首すこうべ
受ければ悪人の同類だ、悪事が露顕すれば素首すこうべのない人間だ、毒を喰わば皿までというから貴公もあくまでやりな
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
。……コウッテ開ク、とあるではないか。すでにいにしえの神仙は、今日、がこれへ参るのを、予言いたしておったのだ。いやだと申す者は、素首すこうべをぶった斬るぞ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ても、厚顔あつかましい。めずらしやとは、わしの方でいうことば。清水きよみず三年坂さんねんざかでは、まんまと、討ち洩らしたが、きょうこそ、その素首すこうべは、この婆がもろうたぞ」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何者ぞ、何者ぞ。はやく名字を申さぬと、一さつのもとに、素首すこうべを払い落すぞ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われこそは正しき仏陀ぶっだの使者、破邪顕正の菩薩ぼさつ孔雀くじゃく明王がお旨をうけて参った者。——出てこずば、踏みこんで、愚禿の素首すこうべを打ち落すがよいか。——会おう、親鸞っ、出てきませいっ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今日は、自分として考え直したこともある故、いったんここでは見遁みのがしてやるが、後日、遠からぬうちに、必ずおのれの素首すこうべをもらいに行く。そのになって、卑怯な振舞をいたすなよ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)