紙幣束さつたば)” の例文
そういって臼井は、十万円の紙幣束さつたばを三人の方へ差出した。三人はとりのようにびっくりして、すみへ固まって相談をはじめた。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
のどを緊められても出すは変りませんよ。間は金力には屈しても、腕力などに屈するものか。憎いと思ふならこのつらを五百円の紙幣束さつたばでおたたきなさい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この時、抽斗ひきだしを間違へたふりをして、一つの抽斗から、袱紗に包んだ紙幣束さつたばを取り出し、素早く帯の間に挟む。
秘密の代償 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
だから、いつ行っても寄港中の船員がわいわいしてて、マルガリイダ婆さんの靴下は紙幣束さつたばでふくれてた。
そこでは黒百合のような貴婦人が、オペラバッグから紙幣束さつたばを出して、百フランの青札を買い、二十歳にもならないしとやかな娘が、赤札に自分の運命を賭けているのです。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
ガブリエルはそんな事を云っている間も、カクシの中にねじ込んである紙幣束さつたばを指でてさぐっていた。その紙幣こそはジョージを殺して盗み取ったところの紙幣束である。
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうして誰だ! と一声叫びながら、紙幣束さつたばをとり返そうとして手をのばす。夢中になって森木はわきにあったピストルをとるより早く、のしかかるように子爵の頭部に銃口を押つけて一発放った。
正義 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
客の男は矢庭にポケツトから紙幣束さつたばを掴出して、「会計、いくら。」
にぎり飯 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
紙包の中味は正に紙幣束さつたばだった。
罠に掛った人 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
品物の方は早速もう諦め、あとはポケットをふくらませている紙幣束さつたばをいかにして今夜のうちにつかたすかについて頭をひねることとなった。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
客の男は矢庭にポケットから紙幣束さつたば掴出つかみだして、「会計、いくら。」
にぎり飯 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「どうも気の毒だがね、どうにも仕様がないよ。これがきみの細君の保険だったら、ここんとこできみは一万円の紙幣束さつたばつかんでいるはずだった」
幸運の黒子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
右手でポケットの内側をソッとおさえたのは、いましがた大臣から手渡された莫大な紙幣束さつたばを気にしたためであろう。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私は人気ひとけのないへやに安心して、千円の紙幣束さつたばを壮平に手渡した。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)