純情じゅんじょう)” の例文
そういって、じっと老兵士ろうへいしかお見上みあげた、あの青年せいねんんだには、これをにつけて自分じぶんんでいくという純情じゅんじょうがあらわれていました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
八弥太を介していっているとおりに、この若い武士の想いは純情じゅんじょうだった。ふかく思いこんだのであるが、明日知れぬ身を前提としているだけにしかもきれいであっさりしていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし子供の数が増加してくるにしたがって、青年の純情じゅんじょうのような気持ちは鈍磨どんましてくる。そして生物学的に、今度の子供は私自身のどの特性を分担ぶんたんして来るだろうかとよくを出してくる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
子供こどもきなかれは、そこに田舎いなか都会とかいと、なんら純情じゅんじょうにおいて、差別さべつのあるのをいださなかったのでした。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)