だた)” の例文
今の御姿おすがたはもう一里先か、エヽせめては一日路いちにちじ程も見透みとおしたきを役たたぬ此眼の腹だたしやと門辺かどべに伸びあがりての甲斐かいなき繰言くりごとそれももっともなりき。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
威嚇いかくことばと誘惑の手からのがれて、絶望と憤怒に男をいらだたせながら、もとの道へ駈出かけだすまでに、お島は可也かなり悶踠もがき争った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)