神信心かみしんじん)” の例文
一人はかならず参っている家と、まったく知らぬ顔をしているのとができて、神信心かみしんじんの差等が日に増しいちじるしくなってきた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
お前が生れて間もなく分れたにいさんだから、顔形も知れまいが親身の兄と思えばこそ然うやって神信心かみしんじんをして会いたいと願掛までして居ればこそ
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ですから、気をおつけなせえましよ。そうして、神信心かみしんじんを怠っちゃあなりやせん」と、お静は親切に言った。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
迷信家の細君は加持かじ、祈祷、占い、神信心かみしんじん、大抵の事を好いていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さて日本も嘉永かえいの五年あたりは、まだ世の中がひらけませぬから、神信心かみしんじんるとか、易占うらないに見て貰うとかいうような人が多かったものでござります。
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
千社参りをするのも神信心かみしんじんのうちにかぞえられていた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
い「御身代の直るように私も神信心かみしんじんをして居ります、どうぞお母様っかさまにお目にはかゝりませんが、お大事になさるようにおっしゃってくださいまし」
私は神信心かみしんじんして居たが………道理で、それ私のおとっさんの書いた短冊が貼って有ったら、うちへ来て
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は物心が付きましてお母様はお達者か、御無事でおいでかと案じてばかりおりました所、此度こんどはからずお目にかゝりましたのは日頃神信心かみしんじんをしたお蔭だ、ことにあなたがお手引をなすって
それよりゃアその金を借金方へめて精出し、働らいてもうけた銭で買った着物を着て往かなけりゃアならねえと思って居りやす、旦那え不思議なことにゃアお浪が此の頃神信心かみしんじんを始めやした
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)