たす)” の例文
辞世の歌の「限りあれば吹かねど花は散るものを心短き春の山風」の一章は誰しも感歎かんたんするが実に幽婉ゆうえん雅麗で、時やたすけず、天われうしな
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
顓頊せんぎょく道ならず、我がきみに抗し、我が后は自らこれに天罰を加えるために、郊で戦われたが、天は徳をたすけず、我が軍隊は敗走致しました……」
不周山 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「人は悪い願いをかけるものではない。しかし私はおまえをたすけて、お前が人手にかからないように救ってやるぞ」
「兄弟二人を祐る」とは、玄俊は家に女子が無いので、赤子せきしを兄に託して祐けられ、兄瑞仙は男子が無いので、貞之介の祐二を獲てたすけられたと云ふ意であらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「我は伊東頼母、先夜は府中武蔵屋で、むざむざ取り逃がしたが、再度ここで巡り合ったは天のたすけ! 父親の敵、今度こそはがしはせぬ! 出て来て勝負を致せ!」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
など、押し問答している所へ、天のたすけか、師匠の姿が見えました。
「この岩もしも上らぬものなら、五体を岩に打ちつけて、微塵みじんになさん」覚悟を極わめ、ほのお呼吸いきを吐きながら持ち上げ持ち上げするほどに、神のたすけか変化へんげわざか、さしも動かぬ大岩が
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「天のたすけというものでしょう」
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)