着痩きや)” の例文
十九ばかりの品のあるお嬢さんが、しっとり寂しいほど、着痩きやせのした、しまお召に、ゆうぜんの襲着かさねぎして、藍地あいじ糸錦の丸帯。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女が小柄だったことは前に書いたが体は着痩きやせのする方で裸体らたいの時は肉づきが思いのほか豊かに色がけるほど白く幾つになってもはだに若々しいつやがあった平素魚鳥の料理を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
さも旅疲たびづかれさま見えて、鼠地ねずみじの縮緬に、麻の葉鹿の子の下着の端、なまめかしきまでひざななめに、三枚襲さんまいがさね着痩きやせのした、撫肩なでがたの右を落して、前なる桐火桶きりひおけの縁に、ひきつけた火箸ひばしに手をかけ
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)