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真打
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しんうち
ふりがな文庫
“
真打
(
しんうち
)” の例文
旧字:
眞打
「そいつは有り難い思い付きだね。しかし断っておくが、俺はいつでも
真打
(
しんうち
)
だよ。前座は貴様か、貴様の娘でなくちゃ御免蒙るよ」
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
明治時代の
落語家
(
はなしか
)
と一と口に云っても、その
真打
(
しんうち
)
株の中で、いわゆる落とし話を得意とする人と、人情話を得意とする人との二種がある。
寄席と芝居と
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
すると向うにゐたAが
真打
(
しんうち
)
と云つたやうな格で、更に判決でも下すやうに、
頤
(
あご
)
の先を突き出し乍ら鋭くかう云ひ出した。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
けれども、後で気が着くと、
真打
(
しんうち
)
の女太夫に、
恭
(
うやうや
)
しくもさしかけた長柄の形で、舟崎の図は宜しくない。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真打
(
しんうち
)
になったら自分の名を
襲
(
つ
)
がせてやろうとまで言われるようになったのに、若いとき身を持ち崩した
祟
(
たた
)
りで、悪い病気がとうとう脳にきて、その頃
同棲
(
どうせい
)
していた
三つの挿話
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
十二歳の春には、もはや
真打
(
しんうち
)
となるだけの力と人気とを綾之助は集めてしまった。綾之助のかかる席の、近所の同業者は、八丁
饑饉
(
ききん
)
といってあきらめたほどであった。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
話は与作が
真打
(
しんうち
)
で、町内の
尤
(
もっと
)
もらしいのが五六人、番頭の左太松と、倅の甲子太郎と、出入りの
鳶
(
とび
)
の頭
寅松
(
とらまつ
)
と、小僧が二人——
吉之助
(
きちのすけ
)
と
宮次
(
みやじ
)
が、
大切
(
おおぎり
)
の道具方に廻りました。
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
真打
(
しんうち
)
は——いずれ、聞いたことのない大看板が、イカサマでおどかすものに相違なかろうが、そのうちにもまた、存外の掘出し物が無いとは限らない——お角は掘出し物に、興味と
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
真打
(
しんうち
)
として語った矢野津ノ子の「
双蝶々廓日記
(
ふたつちょうちょうくるわにっき
)
・八幡引窓の段」を、金五郎は恍惚となって聞いた。まだ二十五六歳の青年であるが、その語り口の巧妙さはほとんど
神
(
しん
)
に入っていると思われた。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
太夫や糸やその他をあわせて十二人が町の宿屋に着くと、その明くる朝、
真打
(
しんうち
)
の富子をたずねて来た女があった。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あの鬚男がハドルスキーだな……ともう一度念のために番組を拡げて見るとハドルスキーの名は
最後
(
ドッサリ
)
の
真打
(
しんうち
)
格の位置に書いてある。私はすこし安心した。今のは自分の眼の迷いかも知れないと思った。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それから先はおれも知らねえ。おい、勘蔵。おれにばかりしゃべらせて、なぜ黙っているんだ。
前座
(
ぜんざ
)
はこのくらいで引きさがるから、あとは
真打
(
しんうち
)
に頼もうじゃあねえか
半七捕物帳:29 熊の死骸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“真打”の解説
真打(しんうち)
(出典:Wikipedia)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
“真打”で始まる語句
真打席