“真味(しんみ)” の例文
実際(じつさい)に真面目(しんめんもく)に生涯(せうがい)の真味(しんみ)を味(あぢは)ひし人のみが互(たがひ)に共(とも)に働(はたら)き得る人なり 宗教(しふけう)を以て茶話席(ちやわせき)の活題(くわつだい)となすに止(とゞ)まるものは言語的(げんごてき)捺印的(なついんてき)の一致(いつち)を計(はか)れよ
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
すると、娘ははじめて自分の知識が真味(しんみ)に私を悦(よろこ)ばせるらしいのに、張合いを感じたらしく、口を継いで語った。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
気味の悪いほど真味(しんみ)な顔色で、お綱がトンと肘掛(ひじかけ)へ身を凭(もた)せてきたので、万吉は目の前へタラリと下がった被布(ひふ)の色地をみつめながら、ちょっと後の言葉を絶句した。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真剣真味(しんみ)に苦労してるなら、草の根を分けても、野の末、山の隅々まで、狩り立ててみろ、常日ごろにゃ、やれ飲ませてくれの、家(うち)に病人があるから助けてくれのと、そんな時ばかり
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帯の間へ手を入れて、石のようにこわばったお綱の物言いぶりが、あまりにも真味(しんみ)に迫っているので、よいほどにあしらっていられない責任感が、万吉の心をまで、締木(しめぎ)にかけてきたのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)