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盤臺
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はんだい
土間は
一面の
日あたりで、
盤臺、
桶、
布巾など、ありつたけのもの
皆濡れたのに、
薄く
陽炎のやうなのが
立籠めて、
豆腐がどんよりとして
沈んだ、
新木の
大桶の
水の
色は、
薄ら
蒼く
鯖を、
鯖や
三番叟、とすてきに
威勢よく
賣る、おや/\、
初鰹の
勢だよ。
鰯は
五月を
季とす。さし
網鰯とて、
砂のまゝ、
笊、
盤臺にころがる。
嘘にあらず、
鯖、
鰡ほどの
大さなり。
値安し。