皮剥かわはぎ)” の例文
すなわち神尾主膳がこの部落のうちで皮剥かわはぎの上手を二人雇うて、犬の皮を剥がせようとしたところが、やり損じて犬を逃がしてしまった。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大王の幼時からの師傅しふたるナブ・アヘ・エリバでなかったら、恐らく、生きながらの皮剥かわはぎに処せられたであろう。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
松平某の皮剥かわはぎ事件があったくらいですから、旧幕時代は追剥と辻斬りの本場といってもいいところだったのです。
小母おばさん、買ってくんねえ、小父的おじき買いねえな。千六本に、おなますに、皮剥かわはぎと一所に出来らあ。内が製造元だから安いんだぜ。大小でいしょうあらあ。でいが五銭で小が三銭だ。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さア、死ぬか——待ってみるか? 何を? 助かるのを? 死ぬのを? 敵が来てを負ったおれの足の皮剥かわはぎに懸るを待ってみるのか? それよりもいっそ我手で一思ひとおもいに……
「逸子、済まないが、仲通りの伊豆庄を起して、鮟鱇あんこうの肝か、もし皮剥かわはぎの肝が取ってあるようだったら、その肝を貰って来てれ、先生が欲しいといえばきっと、呉れるから——」
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
たいがいは皮剥かわはぎ
料理メモ (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
日和下駄で突立つったって、いけずなせがれが、三徳用大根皮剥かわはぎ、というのをわめく。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)