つがひ)” の例文
公家・長上の家で興行せられたつがひの巻物なら、其処の亭主の君の作物なる事を示してゐるのである。此は、後鳥羽院にはじまつた事ではなかつた。
八五郎はいつになく几帳面きちやうめんに格子戸を開けて入つて來ました。神田明神下の、錢形平次住居の段、——もつとも、几帳面に引かないと、この格子はつがひごと敷居から外れます。
最初は、黒い眼の周圍を白く縁取つた・見るからにいたづらつ兒らしい黄牡丹インコのつがひである。これは一年近くゐたが、一羽が病氣(?)で死んだので、殘つた方も人にやつて了つた。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
夕影しづかにつがひ白鷺しらさぎ下り
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
つがひ孔雀くじやくすな
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)