田鴫たしぎ)” の例文
修善寺しゅぜんじの方へ蜜月みつづきの旅と答へた——最愛なる新婚の、ポネヒル姫の第一発は、あだ田鴫たしぎ山鳩やまばと如きを打たず、願はくは目覚めざましき獲物をひっさげて、土産みやげにしようと思つたので。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
先ず小鳥類のうち田鴫たしぎ雲雀ひばり水鶏くいなひよ金雀ひわ椋鳥むくどりつむぎ、雀なぞは殺してから中を一日置いて三日目を食べ頃としますし、うずら山鴫やましぎ、カケスなぞは四日目を食べ頃とします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「食べられますとも。爺さんの話では、田鴫たしぎよりは少し味がおとるけれど、あの鳥は丈夫な鳥だから、それにあやかりたいために、あれを食べると丈夫になるって、千鳥を食べるんですとさ」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
先ず大別すれば三通りの焼き方がありまして、雀、田鴫たしぎつぐみ椋鳥むくどり雲雀ひばり水鶏くいなひよ金雀ひわ、カケス、山鴫やましぎ、山鳩、鴨、小鴨、がん、牛、羊なぞはあまり焼き過ぎない方が良いとしてあります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
山鳩やまばと田鴫たしぎ十三、うづら十五かもが三——
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)