生肉なまにく)” の例文
我邦の医者は食餌療法という事に極く無頓着むとんちゃくで医者自身すら豚の生肉なまにくを煮て食べるような始末だけれども西洋の医者は薬物療法と相並んで食餌療法を実行する。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
毎日まいにちしろぬのあたまにかぶった、あおいろふくおとこが、生肉なまにくれをってきてくれました。くまは、それをべながら、「なんというまずいにくだろう。」と、かんがえたのです。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
蝋燭ろうそくの光がさしてる間は差し控えていたが、自分らの都であるその洞穴どうけつがまっくらになるや否や、巧みな小噺作者こばなしさくしゃのペローが「生肉なまにく」と呼んだところのものがそこにあるのを感じて
もっ交尾かけあわせて出来たのがこの花だ! 博士はこの花の成長に良心までもうち込んだのだ! この素晴らしい怪物は花の形をした猛獣だ! この怪物は血の出るような生肉なまにくを一番食いたがる。
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし猪は豚のように一旦いったん湯煮ゆでておいて角煮とかソボロとか支那風の料理にしても結構です。猪の新しい生肉なまにくをそのまま鍋へ入れてジリジリと煮たり焼いたりするのは実に乱暴千万です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)