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獅噛
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しがみ
ふりがな文庫
“
獅噛
(
しがみ
)” の例文
獅噛
(
しがみ
)
の火鉢に火はカンカンと
熾
(
おこ
)
っているが、人のいないことは出て行った時と同じで、
行燈
(
あんどん
)
はあるが、明りのないことも前と同じ。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さればコン吉は、
手鍋
(
キャスロオル
)
の中で
炒
(
い
)
られる腸詰のごとく、座席の上で転げ廻りながら、ここを
先途
(
せんど
)
と蝙蝠傘に
獅噛
(
しがみ
)
ついている様子。
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
獅噛
(
しがみ
)
とかいうものの由であるが、敦煌千仏洞から発見された毘沙門天図では、天王が眷属を率いて、紫雲に乗じて天降り、大海を渡らんとしている。
八戒に遭った話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
と古畳八畳敷、狸を想う
真中
(
まんなか
)
へ、
性
(
しょう
)
の抜けた、べろべろの
赤毛氈
(
あかもうせん
)
。四角でもなし、
円
(
まる
)
でもなし、
真鍮
(
しんちゅう
)
の
獅噛
(
しがみ
)
火鉢は、古寺の書院めいて、何と、灰に刺したは杉の
割箸
(
わりばし
)
。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
無家賃でも、すこし油断をすれば生活費が一パイ一パイになる事
請合
(
うけあい
)
で、軽蔑されても罵られてもバラックに
獅噛
(
しがみ
)
付いていたいという心理状態は、可愛相と云えば可愛相である。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
▼ もっと見る
そして、心配気に附添って来た由子の姿を門の外に発見すると、ばったのように
駛
(
はし
)
って行きまるで赤ン坊のように、
獅噛
(
しがみ
)
ついて泣き出した……よくもこう泪が続くものか、と思われるほど……。
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
おれたち二人が中へ
這入
(
はひ
)
ると、帳場の前の
獅噛
(
しがみ
)
火鉢へ噛りついてゐた番頭が、まだ「
御濯
(
おすす
)
ぎを」とも云は無え内に、意地のきたねえやうだけれど、飯の匂と汁の匂とが、湯気や火つ気と一つになつて
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
主人であろう、皮肉そうな爺が、
獅噛
(
しがみ
)
火鉢にしがみついている。
染吉の朱盆
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
身を起して見ると——見るというのは勿論、その特有の超感覚で見るのです、以前も以下もそれに準じていただきたい——例の
唐銅
(
からかね
)
の
獅噛
(
しがみ
)
の大火鉢には相当火が盛られていた。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
獅
漢検準1級
部首:⽝
13画
噛
漢検準1級
部首:⼝
15画
“獅噛”で始まる語句
獅噛火鉢
獅噛面
獅噛付
獅噛附