“しがみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
獅噛100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と古畳八畳敷、狸を想う真中まんなかへ、しょうの抜けた、べろべろの赤毛氈あかもうせん。四角でもなし、まるでもなし、真鍮しんちゅう獅噛しがみ火鉢は、古寺の書院めいて、何と、灰に刺したは杉の割箸わりばし
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
無家賃でも、すこし油断をすれば生活費が一パイ一パイになる事請合うけあいで、軽蔑されても罵られてもバラックに獅噛しがみ付いていたいという心理状態は、可愛相と云えば可愛相である。
そして、心配気に附添って来た由子の姿を門の外に発見すると、ばったのようにはしって行きまるで赤ン坊のように、獅噛しがみついて泣き出した……よくもこう泪が続くものか、と思われるほど……。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)