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もうきん
ふりがな文庫
“
猛禽
(
もうきん
)” の例文
「ふざけちゃいけないよ。野獣
猛禽
(
もうきん
)
、何が
咬
(
か
)
み合った血やら知れたもんじゃない。おまえ方は朝ッぱらからわしの家へ因縁をつけに来たのかよ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屋の棟には
猛禽
(
もうきん
)
の叫びもなく、籠の中には鷲の子のはばたきもありません。胆吹山の山腹の夜は、更けきっている。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
略奪者たる大貴族の
跋扈
(
ばっこ
)
した幾世紀かが、一民族の中に、たとえば
猛禽
(
もうきん
)
の
倨傲
(
きょごう
)
貪欲
(
どんよく
)
な面影を刻み込むときには、その地金は変化することがあっても、印刻はそのまま残るものである。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
だが私はこの結晶せられた一枚の絵以上に、この
猛禽
(
もうきん
)
が有つ壮厳さと権威との美を示し得たものが他にあるかを疑う。民画が現す驚くべき境地である。単純の美を越える美しさはない。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
その歩きつきや眼つきを見ていると、何だか
猛禽
(
もうきん
)
のように思えてならなかった。
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
いわゆる
鷙鳥
(
しちょう
)
とか
猛禽
(
もうきん
)
とか云うものにかぞえられ、前に云ったような
悪
(
わる
)
いたずらをも働くのであるが、鷲のように人間から憎まれ恐れられていないのは、平生から人家に近く棲んでいるのと
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いったん、よろけ合った二つのからだは、
闘鶏師
(
とうけいし
)
にケシかけられた
猛禽
(
もうきん
)
のように、また、
肩
(
かた
)
と肩を
咬
(
か
)
みあって、
組
(
く
)
んずほぐれつの
争
(
あらそ
)
いをおこした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
事の
体
(
てい
)
を見ると、これはこのほど来、麓の里を
脅
(
おびやか
)
したところの、子を奪われた
猛禽
(
もうきん
)
の来襲に備えるべく村の庭場総代連が警戒の評議をこらすの席とも思われず、さりとて長浜、姉川
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
戦争好きな強健な新時代は、戦いを熱望していて、勝利を得ない前から征服者の心持になっていた。自分の筋肉、広い胸、享楽を渇望してる強壮な官能、平野の上を
翔
(
かけ
)
る
猛禽
(
もうきん
)
の翼、を誇っていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
人をのろわば
穴
(
あな
)
二つ、あの
猛禽
(
もうきん
)
の
鎖
(
くさり
)
をきった三人は、立ちどころに、自分がはなした
鷲
(
わし
)
の
爪
(
つめ
)
につかまれて、四
肢
(
し
)
を
裂
(
さ
)
かれてしまったのにそういない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いかに
猛禽
(
もうきん
)
が降り立って肉薄して
来
(
きた
)
っても、戸締りはさいぜんがっしりとしてあるから、室内まで異変を及ぼすということは、
万
(
ばん
)
ないにきまっているが、ここまで来て、ああして騒ぐ上は
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とまわりを飛びはなれたが、
偉大
(
いだい
)
なる
猛禽
(
もうきん
)
のつばさが、たッたひと打ち、風をあおるとともに、
笑止
(
しょうし
)
笑止
(
しょうし
)
、まるで
豆人形
(
まめにんぎょう
)
でもフリまいたように、そこらの草へころがった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奇異なる旅の子
魯智深
(
ろちしん
)
は、幾度も山に
臥
(
ふ
)
し、野に枕したが、野獣
猛禽
(
もうきん
)
も恐れをなしてか、彼の寝姿と
鼾声
(
かんせい
)
のあるところは、自然一夜の楽園と化し、なんの禍いも起らなかった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“猛禽”の意味
《名詞》
猛 禽(もうきん)
大型で獰猛な鳥。
(出典:Wiktionary)
猛
常用漢字
中学
部首:⽝
11画
禽
漢検準1級
部首:⽱
13画
“猛禽”で始まる語句
猛禽獣