狂人きょうじん)” の例文
わたしは狂人きょうじんのように、ふらふら表を歩き回って、一刻も早くこんなさわぎがおしまいになってくれればいいと、そればかり待ち望んでいた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
はあ、病人びょうにん、しかしなんにん狂人きょうじん自由じゆうにそこらへんあるいているではないですか、それは貴方々あなたがた無学むがくなるにって、狂人きょうじんと、健康けんこうなるものとの区別くべつ出来できんのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
みんな狂人きょうじんのようにゆすぶらせ丘を通るときは草も花もめっちゃめちゃにたたきつけたんだ
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「わたしのかおがいくらみにくいといったとて、よもやこれほどではあるまい。」といって、なおあたりをさまよっていました。すると、すぐとなりには狂人きょうじんれた病院びょういんがあったのです。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
新聞には、透明人間は狂人きょうじんになったにちがいないと書いてあるぞ。じっさいやつは、気がくるっているにちがいない。なにをやりだすか、わかったもんじゃない。しかも空気くうきのように自由じゆうな身だ。
もしこの神尾喬之助がしん狂人きょうじんなら——。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
狂人きょうじん染みた真似を。
狂人きょうじんじゃ」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)