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犬蓼
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いぬたで
ふりがな文庫
“
犬蓼
(
いぬたで
)” の例文
蓼
(
たで
)
に似て非なるものを
犬蓼
(
いぬたで
)
というように、神人に似て非なる故に犬神人と云ったとの古い説があるが、これは妥当であるとは思われない。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
その砂利の間の薄暗がりから、頭だけ出している小さな
犬蓼
(
いぬたで
)
の、血よりも
紅
(
あか
)
い茎の折れ曲りを一心に見下していた。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「油地獄」は「小説評註」と、「
犬蓼
(
いぬたで
)
」とを合はせ綴ぢて附録の如くす。「小説評註」は純然たる
諷刺
(
サタイア
)
にして、当時の文豪を罵殺せんとする毒舌紙上に躍如たり。
「油地獄」を読む:(〔斎藤〕緑雨著)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
犬蓼
(
いぬたで
)
の赤い花の上に座ってお萩をたべる子供たちの、にこやかな頭の上には高い空があった。文化の昔の女団長の頭の、やっと結わえた
蝶々髷
(
ちょうちょうまげ
)
には、赤トンボがとまっている。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
こゝにこの水流るゝがために、水を好む
野茨
(
のばら
)
も
心地
(
ここち
)
よく其の
涯
(
ほとり
)
に茂って、麦が
熟
(
う
)
れる頃は枝も
撓
(
たわ
)
に
芳
(
かんば
)
しい白い花を
被
(
かぶ
)
る。薄紫の
嫁菜
(
よめな
)
の花や、薄紅の
犬蓼
(
いぬたで
)
や、いろ/\の秋の草花も美しい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
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夕光はあはれなれども
犬蓼
(
いぬたで
)
の花穂はうれし揺れの重くて
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ひとむらの
犬蓼
(
いぬたで
)
の花。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その泥だらけの
颯爽
(
さっそう
)
たる姿を、そこいら一面に生えていた、
犬蓼
(
いぬたで
)
の花と
一所
(
いっしょ
)
に思い出す。
父杉山茂丸を語る
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
犬
常用漢字
小1
部首:⽝
4画
蓼
漢検1級
部首:⾋
14画
“犬”で始まる語句
犬
犬神人
犬神
犬吠
犬死
犬殺
犬張子
犬追物
犬小屋
犬公方