物忘ものわす)” の例文
「はい……はい。」といって、さすがに、かおあかくして返事へんじをしましたが、すぐ、そのあとからわすれたように、物忘ものわすれをしたり、よるになると居眠いねむりをはじめました。
人の身の上 (新字新仮名) / 小川未明(著)
柔かに鳴く聲は物忘ものわすれゆく女のごとく
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
なし不便ふびんの至りなり勿論呪咀しゆそとが屹度きつと申付るぞされど三郎兵衞は其百兩のかね彌々いよ/\返濟したるやいなや明白に返答致すべしと有ば三郎兵衞ハツと云のみ何とも返答へんたふなし大岡殿又三郎兵衞に向はれ其方は左右とかく物忘ものわすれ致すと見えたり忘れし事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ところが、物忘ものわすれをするからすがありました。きいたはなしを、すっかりわすれて、かがしのうえにきてまりました。そして、カア、カアときながらかがしのあたまをつつきました。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが、いつかの物忘ものわすれのからすがやってきて、かがしのうえまりました。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)