物品もの)” の例文
喰いますぜ。……大方船出の準備も出来、物品もの人間ひとも揃いやした。片付けるものは片付けてしまい、急いで海に乗り出した方が、皆の為じゃありませんかな
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
渠等かれら無頼ぶらいなる幾度いくたびこの擧動きよどう繰返くりかへすにはゞかものならねど、ひとそのふが隨意まゝ若干じやくかん物品ものとうじて、その惡戲あくぎえんぜざらむことをしやするをて、蛇食へびくひげい暫時ざんじ休憩きうけいつぶやきぬ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(あの杉次郎という若侍は、どうやら奥様を甘言かんげんでまるめて、お金や物品ものを持ち出すらしい)
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
就中なかんずく、恐ろしかったというのは、ある多勢おおぜいの人が来て、雨落あまおちのそばの大きな水瓶みずがめ種々いろいろ物品ものを入れて、その上に多勢おおぜいかかって、大石を持って来て乗せておいて、最早もうこれなら
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)