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父爺
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ちやん
「
威張らなくツたつて、
何も、
威張らなくツたつて
構はないから、
父爺が
魚を
食つてくれると
可いけれど、」と
何と
思つたか
與吉はうつむいて
悄れたのである。
餘計に
惡くなつて
堪るもんか、
此節あ
心持が
快方だつていふけれど、え、
魚氣を
食はねえぢやあ、
身體が
弱るつていふのに、
父爺はね、
腥いものにや
箸もつけねえで
詰らねえことを
父爺いふもんぢやあねえ、
山ン
中の
爺婆でも
鹽したのを
食べるツてよ。