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爭
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あら
發すべきと
怒りつ泣つ
爭さうに番頭久兵衞は
左右に
冷笑ひナニサ其樣に子供
欺しの泣聲を
我家へ
連行つ何で
喧嘩をなされたと問ばお光は面はゆ
氣に物
爭そひせし
解ならず
二個泪を
翻してゐたるは斯樣々々の次第なりと婚姻
破談に成し事を
包ず告ればお金は驚きあれ程までに手を
聞不審とは思へ共
兎にも
角にも
爭そふも
詮方なし
勿論昨日の
駕籠賃はまだ
受取ず今日一所に
貰ふ筈なりしが早立しとなれば
是非もなし
過分なれど此小袖は昨日の駕籠賃の
質に預り
置べしと善六は駕籠を