為永ためなが)” の例文
旧字:爲永
為永ためなが式の痴呆じみた美人相ではなく、都雅とが艶麗なうちに微妙な威容を含み、教養ある欧州のレヂーに比してすこしも遜色がない。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その他の智識としては馬琴ばきん為永ためながの小説や経国美談、浮城うきしろ物語を愛読し、ルッソーの民約篇とかを多少かじっただけである。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
つやッぽい節廻ふしまわしの身にみ入るようなのに聞惚ききほれて、為永ためなが中本ちゅうほんに出て来そうなあだ中年増ちゅうどしまを想像しては能くうわさをしていたが、或る時尋ねると
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
寄筍恋下女恋きじゅんれんげじょれん等の題目についてるべし。猥䙝をして一味いひがたき哀愁の美たらしめしは為永ためなが一派の人情本なり。猥䙝を基礎として人生と社会を達観したるは川柳『末摘花すえつむはな』なり。
猥褻独問答 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
広河の江といふのは飯沼いひぬまの事で、飯沼は今ははなはだしく小さくなつてゐるが、それは徳川氏の時になつて、伊達弥だてや惣兵衛そうべゑ為永ためながといふものが、享保年間に飯沼の水が利根川より高いこと一丈九尺
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「私と為永ためながさんとは違う。」
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
為永ためなが中本ちゅうほんにあるりょうというような塩梅あんばいで、美男であり風雅である眉山の住居すまいには持って来いであった。が、その頃から眉山は段々と陰気臭く詩人臭くなった。
「私と為永ためながさんとは違ふ。」
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ドチラかというと為永ためながの人情本にありそうなニヤケ男であった。言語が物柔らかで応対も巧みであった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
殊に当時の女学生間にはこの為永ためなが今様いまようとしたような生温なまぬるい恋物語が喜ばれて