火攻ひぜめ)” の例文
訴状には「御城おんしろ御役所おんやくしよ其外そのほか組屋敷等くみやしきとう火攻ひぜめはかりごと」と書いてある。檄文げきぶんには無道むだうの役人をちゆうし、次に金持の町人共をこらすと云つてある。かく恐ろしい陰謀である。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
風吹き通す台所だいどこに切ってある小さなに、木片こっぱ枯枝かれえだ何くれとされる限りをくべてあたっても、顔は火攻ひぜめせな氷攻こおりぜめであった。とめやが独で甲斐々々しくけ廻った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ストーブをドンドンいて先生を火攻ひぜめにしたり、教場を真闇まっくらにして先生がいきなり這入って来ても何処も分らないような事をしたり、そういう所を経過して始めて此校ここへ這入ったものであります。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)