火急かきゅう)” の例文
どういう火急かきゅうな事情が起って、こうまであわただしく船から去って行かなければならなかったか? 前後の事情からおすと二十三人が船を去ったのは
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
路傍、かような場所がらで、身分の低い手前などが、直々じきじきお声をかけるのさえ、何ともおそれ多い次第でござりますが、事火急かきゅうの場合、特に御仁恕を
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、矢口の渡の頓兵衛とんべえもどきで怒鳴りながら、火急かきゅうの注進でもするようにドタバタ梯子段を上って来る。
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
最後の任務を果たすために、飯坂いいさか上等兵と姥子うばこ一等兵を選抜して、東京警備司令部へ、火急かきゅうの報告に出発させた。少尉が、腹部を射ちぬかれたのは、それから五分とたない後だった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてかかる火急かきゅうの出陣令の場合には、身につけまとう物の具さえ、常に似ず、間違いをやりやすい。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大急ぎにてこのふみしたため、私もすぐあとより、屋根やねにのぼりめるかくごながらまん不覚ふかくをしては一大事にそろゆえ、若侍衆わかざむらいしゅう、一こくもはやくお出合であいありたくもうしそろ。火急かきゅう火急。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火急かきゅう火急と、走りがきにすくいをもとめてきたちょうむすびの早文はやぶみ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)