滝川一益たきがわかずます)” の例文
すなわち、伊勢いせ滝川一益たきがわかずますをうった秀吉ひでよしが、さらにその余勢よせいをもって、北国の柴田軍しばたぐんと、天下てんか迎戦げいせんをこころみたのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老獪ろうかいにして経験ふかき信玄の戦術は、まだわかき家康の敵すべきところではなかった。援軍の将佐久間信盛さくまのぶもりまず敗れ、おなじく滝川一益たきがわかずますも戦場を捨てた。
死処 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「そうだ。先頃、三河の松平元康の許へ、使者として渡られた滝川一益たきがわかずます殿が、ちょうどもう帰らるる頃。——それではないかな」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは兵法へいほうでいう八もん遁甲とんこう諸葛孔明しょかつこうめい司馬仲達しばちゅうたつをおとし入れたじゅつでもある。秀吉、それをこころみて、滝川一益たきがわかずますをなぶったのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このへんに討死うちじにしているやつらは、おおかた滝川一益たきがわかずますの家来で、ツイきのうまでは、桑名城くわなじょうでぜいたく三昧ざんまいなくらしをしていた者ばかりだからな。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勢州せいしゅうの押えには、滝川一益たきがわかずますく者はなかった。彼は、分別者ではあるし、三河の松平家とは昵懇じっこんであるから、なにかにつけ、まかしておくことができる。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「光秀。——桑名くわな滝川一益たきがわかずますより、頻々ひんぴん、援軍の催促さいそくである。そちも、出向いて、ひと手勲てがらいたして来い」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「織田家のお身内、佐久間信盛のぶもりどのには、まっ先についえ、滝川一益たきがわかずますどのにも逃げくずれ、平手長政(汎秀のりひで)どのはお討死。酒井どの、ひとり御苦戦にございまする」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
滝川一益たきがわかずますの名は久しく世人から忘れられている。いや、時間的には、そう年月を経ているわけでもないが、時代の急革きゅうかくは、ほんの短日月にも、そう感じられるのである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
東国にある滝川一益たきがわかずますはどうこの大転機をうけ取ろうか。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
話しかけたのは、隣の滝川一益たきがわかずますであった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「誰だ。滝川一益たきがわかずますか」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)